現代において「洋館」が注目されているわけ

文明開化の明治以来、ヨーロピアンなあり方は日本人の憧れであり続けてきました。例えば、「鹿鳴館」という建物がその象徴の一つです。ミーハーと揶揄されつつも、欧米の文明の魅力は疑いなく日本人の心を虜にしてきたのです。戦前において積極的に建築された「洋館」などは、その代名詞ともいえるでしょう。そして時は流れて現代の話です。西洋コンプレックスなど過去の話になった現代において、再び「洋館」が脚光を浴びているのです。現代における洋館、それは北欧住宅と呼ばれています。冬の寒さの厳しい、スウェーデンにおいて考案された建築様式です。高い断熱効果によって、長く寒い冬季に特化した住宅として進化してきました。エアコン(空調)という設備が出現した現在において、それはとても大きな意味を持っています。すなわち、「断熱」です。日本古来の住宅は風通しがよく、空調の調節した気温をすぐに外に流してしまいます。その点、北欧の断熱住宅はエアコンの恩恵を十全に発揮できるのです。家を新築する人の中でも、北欧住宅の存在感は着実に大きくなってきています。

SNSでもご購読できます。